当院のシーラント

6歳臼歯は、永久歯の中で最初に生える歯です。食べ物を噛み砕く力が最も強く、消化に深く関わっています。また、後から生えてくる永久歯の歯並びの基準になる重要な役割を担っています。

特に下の6歳臼歯は虫歯になりやすいのが特徴です。多くの子供が虫歯を経験すると言われています。これは、6歳臼歯が生えてくる頃には仕上げ磨きをしなくなったり、している場合でも上手く歯ブラシが届いていなかったりするのが主な原因です。

生えたての6歳臼歯にシーラントを施すことで、虫歯のリスクを軽減できます。子供の頃から虫歯予防に取り組むと、将来歯を失わずに済む可能性が高まります。

過去に虫歯になった歯は虫歯が再発しやすく、重症化して抜歯が必要になる場合も。お子さまの場合、インプラントを入れられないので、左右の健康な歯を削って橋渡しにする「ブリッジ」しか選択肢がありません。

予防歯科に力を入れている当院では、一般的に行う6歳臼歯だけでなく、乳歯の奥歯や第二大臼歯（12歳臼歯）にも積極的にシーラントを行っています。年齢を重ねても健康な歯で美味しく食事を楽しむために、子供の頃からの予防歯科が重要なのです。

当院は、中学を卒業される15歳頃までは積極的にシーラントをおすすめしています。

中学校入学以降は、生活習慣や食生活がこれまでとは大きく変わります。部活動が始まり、特に運動部の場合にはスポーツドリンクを飲む機会が増えるでしょう。実はスポーツドリンクには砂糖が沢山使われています。こうした砂糖を含む飲み物を長時間に渡り飲み続けることで、お口の中が常に酸性に傾き、歯が溶けやすい環境ができ上がってしまうのです。

また、おこづかいで学校帰りに菓子パンなどを買うこともあるかもしれません。3食以外の間食も含め、親御さまが管理していた小学生時代までとはお口を取り巻く環境が変わってきます。

中学校に入学する12歳前後からは、第一大臼歯（6歳臼歯）の後ろに第二大臼歯（12歳臼歯）が生え始めます。環境が変わり虫歯ができやすい時期だからこそ、生えたての永久歯を守るためにシーラント処置を受けていただくのがおすすめです。

シーラントの効果を最大限に引き出すには、処置前の歯のクリーニングが重要です。汚れを落とさないままシーラントを施すと、歯垢や虫歯菌を閉じ込めてしまい、虫歯を進行させる原因になってしまいます。

当院では専用の器具やブラシを使用し、歯の溝に詰まった汚れを徹底的に除去。シーラント施術前の丁寧なクリーニングにより、虫歯予防の効果を高められます。汚れをしっかり落としてから処置を行うことで、シーラントの密着性が向上し、持続性が高まるのがメリットです。

さらに、クリーニング後は歯の表面をよく乾燥させ、シーラントがしっかり密着するよう万全の準備を行います。クリーニングから乾燥までの前処置を丁寧に行うことが、効果的なシーラント処置の鍵と言えます。

シーラントの処置は基本的に、予防歯科のプロである歯科衛生士が担当します。

1本の歯の処置は30秒程度と短く、小さなお子さまも無理なく受けられる時間です。保護者の方の通院負担を軽減するため、一度に複数本の処置を行っています。

当院で使用しているシーラント材にはフッ素が含まれています。継続して少しずつシーラントからフッ素が放出されるため、虫歯予防の効果がより高いのが特徴です。

また、歯の溝を埋めるシーラントは歯科用プラスチックで、体に悪影響はありません。少量で溝が埋まり、噛み合わせの高さにも影響はないため、ご安心いただければと思います。

シーラントは1回詰めればそれで良いかというと、そんなことはありません。食事などの日常生活で外れてしまうケースもあります。

当院ではお子さまの場合、2〜3か月ごとの定期検診を推奨しています。この定期検診ではお口の中のクリーニングはもちろん、虫歯や歯並びのチェックを実施。併せて、シーラントが外れてしまっていないかも確認していきます。

シーラントが外れてしまっている場合には、再度処置を行います。なお、シーラントでの予防処置は健康保険の範囲内です。さらに大阪市在住で「こども医療費助成制度」の対象であれば、1回の処置で発生する自己負担額は最大で500円です。

費用面で大きな負担となることは少ないので、安心して通っていただけると思います。